オチない物語「龍神様と俺」

「あ、龍神様だ」

目に痛いくらいの眩しい青空にピューーーッと一直線に、飛行機雲のような、鱗のような、大蛇のような雲がかかっていた。

 

「…( ´-ω- )フッ。龍神て(笑)」

自分で自分にツッコむ。

 

「あの細長い雲は龍神様が応援してくれてるんだよ。今見えてるのはカズくんの新しい仕事を応援してくれてるんだね、きっと」

そう言って微笑んだ彼女はつい先月別れたばかりだ。

 

原因は俺の余裕のなさ…なのだろう。

脱サラしてはじめたテイクアウト専門のコーヒースタンドは、はじめは物珍しさもあってそこそこの人気があったものの、今は閑古鳥が鳴いている。

コーヒーを淹れる技術や知識については誰にも負けない自信があるのに。

 

なんでこんなことになってしまったんだろう…

俺はこのままダメになるしかないのか…

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